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  • 2014.03.16 Sunday
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蠍【9人目・寺村拓也編】

110720_2138001.jpg
『審美眼』と言う言葉がある。
平たく言うと、『美を的確に見極める能力』だ。
寺村拓也は『理』を的確に見極めることが出来た。
それは、さしずめ『審理眼』とでも呼べるもの。(そんな言葉は日本には存在しないが)

寺村拓也の眼は、この世の理に生じる、微かな違和感を見逃さない。
言葉、外見、表情、仕種、ありとあらゆるツールが、違和感を以って彼に語りかける。

『コレは嘘だ。』

と。彼の眼に見抜けない嘘は、皆無。
彼の眼に映るものは、『真実』のみ。
だから彼は、その『才能』を最大限に活かす職業を選択した。
全てが順調だった…そう。あの、うだつの上がらなさそうな刑事の『依頼』を受けるまでは…



【寺村拓也編・第壱話】

それは、全くの偶然だった。
”たまたま”冴えない男が『その写真』を持って、私の事務所を訪れた。
”たまたま”その時に、テレビがつけっぱなしになっていた。
”たまたま”そのテレビのニュースに『ある人物』が映っていた。
それは、日本で最も有名な人物。
日本の顔とも呼べる者。

そして、私は気づいてしまった。

テレビから感じる違和感。
ソレが、写真からもたらされるものであると言うことに。

写真が無ければ、テレビをつけていなければ、気づかなかったであろう違和感。

しかし、私は気づいてしまった。

写真に写る『彼』と、テレビに映る『彼』とが、同一人物であることに。

それは、とても不幸なこと。

『知らない方が幸せな事実』

なんて、この世には、ごまんとある。
『ヴィヴィアン』については、私も少なからず、興味があった。
だから、この冴えない刑事が依頼を持って来た時、私は多少の高揚感を感じていた。
だが…これは、もはや私個人がどうこう出来るレベルの話ではない。
もしも、今テレビに映っている『彼』が事件に関わっているのなら…

私は消されるかもしれない。

全く。とんでもない案件を持って来てくれたものだ。
こいつは死神か??とぼけた顔しやがって。
とにかく、この依頼は断らなくてはダメだ。

そう思った矢先のことだ。私は窓の外に、『ある違和感』を感じた。
4つの格子に切り取られた、小さな風景に紛れ込んだ、小さな異物。
常人ならば決して気付くことのない、微かな光。
職業柄、たまに感じることがある、頭から爪先まで、ねっとりと纏わり付くような嫌悪感を伴う『違和感』…
そう。これは、『監視されている』時に感じるモノだ。

最悪だ…一体いつから??誰が??何のために??この男を付けてきたのか??
だとしたら…くそ。くそ。くそ。くそ。くそ。くそ。くそ。
井上誠って言ったか??呑気な顔しやがって!!
簡単に尾行されてんじゃねーよ!!
くそ!!こいつ、刑事って言ってたよな。
役職は…巡査部長??愚図が!!
巡査部長ごときが、どうこう出来る事件じゃねぇんだよ!!

私は目の前にいる、愚鈍な男を猛烈に罵ってやりたい衝動に駆られながらも、今出来る最善の行動を模索していた。
とは言え、相手は『権威』の最高峰。
私に出来ることなど何一つ無いと言っても過言ではない。
この状況は文字通り、『詰んだ』も同然。
ならば、いっそ…

井上「ど、どうでしょう??何かわかりそうですか??」

私は、目の前で愚劣な笑みを浮かべる愚鈍を極めた愚図を見て考える。

全くアテには出来ないが…
目には目を。権威には権威を…
万に一つ。いや、億に一つの可能性に賭けて、コイツをけしかけるか。
『警察』と言う名の権威が、果たして、『国そのもの』と言っても過言ではない権威に、どこまで立ち向かえるのかは、わからないが…

私は奇跡が起こることを願い、目の前の愚図…井上誠に『私が見抜いた真実』を告げることにした。

寺村「単刀直入に言います。この写真の男が、事件にどう関与しているかまではわかりませんが…
この男は…」

----------------------------

この選択が、大きな間違いであったことに気づいたのは、それから数日後のことだった。
いや。私が『真実』に気づいてしまった時点で、選択肢など無かったのかもしれない。
この国にとって、『ヴィヴィアンに触れること』は罪なのだ。
そして罪は償わねばならない。

今、私はその償いを行うために、裁判所…いや、『裁判所を模した部屋』にいる。
私をこんな異常事態に巻き込んだ愚図…井上誠と共に。
部屋にいるのは、私達を含めた8人の男女。
催されるは、悪魔の審判。

ペイヴィットと名乗る者から告げられた『セカンド・ゲーム』のルールは至極単純なもの。



・2卓に分かれての半荘1回勝負

・アリアリ。箱アリ。

・それぞれの卓で、トップを獲った者が…

『誰を殺すか』を1名指名する…



それは、人の奥底に眠る深い闇が顔を覗かせる、忌まわしいゲーム。
このゲームの行き着く先に未来があるのかどうかはわからないが…
ひとまずは、今を生き延びよう。

私が勝った暁には…お前を指名してやろう。
私をこんな目に合わせた張本人…井上誠!!



つづく



110720_2138001.jpg

【Profile 9】
氏名:寺村拓也
職業:探偵
好きなもの:カピバラ
好きな台詞:寄生とは、漢字で『寄り添い生きる』と書きます。
特技:宴会芸
麻雀の称号:寄生虫
備考:変態だけど、とってもいい人です。

174/7200

どうも、こうだです

暫定ですが、公演時の写真をアップします。
その数174枚。

二時間の怒濤の公演時間を切り取るには、写真じゃ語り尽くせぬ事も多々有りますが、
その一端を感じていただければ幸いです。
(画像が全部表示されない場合、再読み込みしてください)

2012/01/04 追記
(暫定ページ削除しました。
現在劇団オフィシャルサイトのトップページ及び
ディスコグラフィにて、写真をご覧頂けます。)
「みなごろしじゃ〜」
http://peeeez13.web.fc2.com/4thact-1-1.html

「ウンコクピットとなずけようか」
http://peeeez13.web.fc2.com/4thact-1-2.html

「羽蛾登場」
http://peeeez13.web.fc2.com/4thact-2-1.html

「通りすがりのヒーロー」
http://peeeez13.web.fc2.com/4thact-2-2.html

「ほうよくてんしょう」
http://peeeez13.web.fc2.com/4thact-3-1.html

「メタンvsブラック」
http://peeeez13.web.fc2.com/4thact-3-2.html

「うんこくえよ」
http://peeeez13.web.fc2.com/4thact-4-1.html

「きれいばえ〜」
http://peeeez13.web.fc2.com/4thact-4-2.html

「殿が気絶しています!」
http://peeeez13.web.fc2.com/4thact-5-1.html

「南蛮人の奇抜なファッショ…」
http://peeeez13.web.fc2.com/4thact-5-2.html

「ブラック、天神祭に行く。」
http://peeeez13.web.fc2.com/4thact-6-1.html

「レッド、ブラウン」
http://peeeez13.web.fc2.com/4thact-6-2.html

「殿のケツほじくりタイム」
http://peeeez13.web.fc2.com/4thact-7-1.html

「暴走」
http://peeeez13.web.fc2.com/4thact-7-2.html

「最後の戦い」
http://peeeez13.web.fc2.com/4thact-8-1.html

「俺の名は」
http://peeeez13.web.fc2.com/4thact-8-2.html

「カーテンコールまで」
http://peeeez13.web.fc2.com/4thact-9.html

今回写真を撮るにあたって、心に決めていた事は「綺麗に撮らない」ということ。
ちょっとくらいボケてたり、構図が悪かったとしても、
役者さんの動きや舞台の音そして光が伝わってくる写真を目指してみました。

役者さん同士の掛け合いを感じていただければ、
カメラを持つ者としての冥利に尽きます。


あと、おまけに、一部で大好評(?)だった、劇団のオリジナルキャラクターの画像を載せておきます。
みんな一杯印刷して、うっかり大阪駅辺りで落とせばいいんじゃないかな。





フクダム氏

【昆虫王国】閉園いたしました。

110722_1201111.jpg
どうも。公演日翌日が出張で、死にそうな思いをしながらも、今を生きています。北山です。

ご来場下さった皆様、スタッフの皆様、お手伝いに来て下さった皆様、そして共演者の皆様。
本当に、ありがとうございました。
色々な方々に助けられた公演でした。
特にスタッフの皆様には、感謝しても感謝しきれません。
全てのスタッフワークがハイクオリティーで、演じる側も自然とテンションが上がり、実力以上の演技が引き出された気がします。
(元々、いい役者さんばっかでしたが。)
『次が楽しみです。』との声も、たくさん頂きました。

本当に、皆様ありがとうございました。
それしか言葉が出ないです。
ありがとうございました。

劇団の今後については、まだ何も決まっておりませんが、僕個人はしばらくの間、役者で頑張りたいと思います。

次はカメハウス。演目はマクベス。
まだまだ走り続けますよ!!



P.S.密かに『役者紹介』を楽しみにしていて下さった皆様。そして、まだ紹介されていない4名の方々。
書ききれなくて、すみませんでした。
これは言い訳ですが、あれには仕方ない事情があったんです。

右手…文章を紡ぎ出すための、右手の指…その全てが骨折していたんです。
今回の公演を経て、指の骨は、さらに粉砕されてゆき、未だに回復の目処がたっていないのです。
だから…しばらくの間…お待ち下さい。僕の指が回復するのを。
指が回復したら、必ず書きますので!!

それでは、皆様。またどこかの舞台で、お会いしましょう!!


初日

どうもこんばんわ。
親三倍満を直撃した男、岡本です。

遂に本番を迎えました。
感無量です。

初日から100人以上のお客様に見に来ていただきました。
ほんと、ありがとうございます!

前回公演から1年以上ブランクがありましたが、やっぱり芝居の楽しさは変わらないですね。

明日も全ての力を解放するよ。
だから今から深い眠りにつきます〓
それでは皆さん、ご機嫌よう!

舞台美術の妖精さん

あっという間に今日はもう本番!絶賛場当たりしまくりの伊藤です!
スタッフさん達のおかげでびっくりするほど立体感のある素敵な舞台ができあがっているよ!
ちょっとだけ公開!



全貌がどうなってるのか、ぜひともみんな見に来て確かめてほしい!いや割とマジで!

歩いてきたこの道を振り返ることしか

DSC_0015.JPG
どうも皆さん、こんばんは。土屋です。
劇団ぺーさん’s13『昆虫王国ムシキングダム〜スーパー・ファーブル・ヒーローズ〜』、いよいよ初日前夜と相成りました。


思えば、今から1年半ほど前。
当初は、座長・北山貴靖のmixi日記上の連載として、この作品は産声を上げました。

当時、第3回公演『スクランブル江戸4you』の脚本そっちのけで書き進められていたその連載、一応その時から「次回公演の準備を兼ねた連載」とされてましたが、正直、僕はあまり現実味が湧いてませんでした。


それが。
気付けばこうして、形になってしまうもんですね。
企画は準備期間が長ければ長い程、途中でうやむやになってしまったりするものですから。


作品としてのテイストも、多少変わりました。
連載時は、その掲載の特性上もあり、明らかに「ネタ」「ヒキ(次回への)」重視だったのが、主人公“サソリ・レッド”を中心とした、一つのドラマになりました。

両極のテイストではあるんですが、不思議と、座長・北山の中には両方存在していて、彼自身もどちらも大事にしているようです。


と。そろそろ皆さん思っとりますよね。
「結局、面白くなったん?」
お約束ですが…。
ぜひとも劇場で、確かめてください。
in→dependent theatre 2ndで、お待ちしております!


写真は、首輪を付けられたスーパー・ファーブル・ヒーローズ。
「首輪でくくろうが、牙は折れちゃいないぜ……」
とおもってるのかもしれんし、そうでもないのかもしらん。


蠍【8人目・井上誠編】

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嗚呼。なんだって、こんなことに…

井上誠は後悔していた。
これまでの人生、様々な後悔をして来たつもりだが、今回のソレは今までの比では無い。

凄まじい痛みを体中に受け、井上誠は朦朧とする意識の中…

『こんな事件に関わるんじゃなかった…』

果てしない後悔の渦に呑まれて行った。



【井上誠編・第壱話】

刑事になって、早30年。
それなりに修羅場をくぐってきたつもりだし、いくつか命の危険を感じた場面もあった。
しかし…私の目の前に佇む、この男が発する重圧は…
今まで感じてきた、あらゆる重圧が、赤子同然に感じられるほど、暗く重い『死の雰囲気』を孕んでいた。

ペイヴィット「やれやれ。平凡な男と思って、放っておいたら、まさかココまで…
君を私まで導いたのは、一体誰だ??」

井上「さあ??なんの話だ??君に辿り着いたのは、私の努力の賜物だよ。」

ペイヴィット「ふふ。見え透いた嘘を。君のような凡人が、『あの写真』1枚から、私に辿り着けるとは思えない。」

井上「ははは。いやいや。凡人だって頑張れば、努力が実を結ぶことが」

ペイヴィット「凡才は秀才にはなれるが、天才にはなれない。
それは、自然の摂理だ。
君を私まで導いた者がいるはず。それは誰だ??」

彼の側近と思われる男が2人。
私の両腕を捩り上げる。痛い。

これは…もしかして…
巷で聞くところの『拷問』と言うやつが始まるのだろうか。嫌だ。

ボキッ

前置きもなく、いきなり腕が折られる。

痛いぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!!!!!!!!

井上「て、寺村拓也と言う探偵に聞いた。」

ペイヴィット「痛みに、すぐ屈する…0点だな。目的は??」

井上「ヴィヴィアンについて知りたい。」

ベキッ

何故か、もう一本の腕が無情にも、音を立てて崩れ去る。

何故だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!

ペイヴィット「これ以上の痛みを受けたくないから、『敵』の質問にすぐ答える。0点。
今さら、君がヴィヴィに興味を持つとは思えないな。
興味を持っているのは…誰かな??」

何??なんだこの男??
まさか、歩のことを言っているのか??
そ、それだけは…

井上「…殺せ。」

ゴキッ

肩ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!

肩!!肩が外された!!

ペイヴィット「他人の情報はすぐに漏らしたのに、身内の情報は漏らすまいとする。平凡な考えだ。0点。
森田歩君と言ったかな??君と違って聡明そうな子だね。」

ペイヴィットが胸元から1枚の写真を取り出し、耳元でそっと囁く。
もしもこの世に、死神と言うものが存在するなら、ソレが放つ息吹は、このような重く冷たいものなのだろう。

井上「ば、馬鹿を言うな。その子はまだ16歳。20年前の事件なんて」

ペイヴィット「喋る速度がさっきよりも、わずかに速くなったな。
瞬きの回数は約2倍。目が泳いでいる…
嘘をつくなら、もっと冷静になりたまへ。0点だ。」

ザシュッ

私の左手から、熱い衝動が体全体に駆け巡る。
嗚呼…これが、熱き血潮の鼓動か…
宙を舞う指を見て、私は意識を失いかけた。しかし…

ザクッ

右手に刻まれた鋭利な感覚が、私の意識を再び、現世に呼び戻す。

馬鹿な…意識を失うことすら、許されないと言うのか??
これなら、いっそ…

ペイヴィット「死んだ方がマシ。とでも思ったかな??
いいぞ。その感覚はとても大切だ。
生きることへの絶望。
『才能』を伸ばす一番の劇薬は、いつの時代も『絶望』なのだ。
闇が無ければ、光が輝かないように、絶望が無ければ、希望は生まれ得ない。
『才能』と言う名の希望は、絶望と言う名の闇に彩られて、初めて輝きを手に入れる。
まあ、君に『才能』のカケラは見出だせないが…」

怖い。怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い。

この男は恐らく、初めから全部知っていた。
私が探偵を雇っていたことも、私が歩のために、調査をしていたことも。
知った上で、私を『試した』のだ。私に『才能』があるのかないのか…
なんとなくわかる。
この男は『才能』を求めている。
そして、ヴィヴィアンが残した、あの言葉…

ペイヴィット「才能を創りたかったの…」

!?!?!?!?!?

ペイヴィット「ヴィヴィのことを嗅ぎ回っていたのなら、この言葉は知っているかな??」

間違いない。整形でもしたのか、20年前の面影は全く無いが…この男が『写真の男』だ。

ペイヴィット「私まで辿り着けた、ご褒美だ。
君の中に『才能』を創ってやろう。
『才能が何も無い』と言うのも、また一つの『才能』
『才能』の『上乗せ』は難しいが…真っ白なキャンバスには、色もつけやすい。
貴重なんだ。君のような凡人も。」

嗚呼…こんな事件に関わるんじゃなかった。
世の中には開けてはいけない、パンドラの匣がある。

ペイヴィット「さあ。じっくりと、君のキャンバスに色をつけよう。
絶望と言う名の彩りで。」

私はソレを開けてしまったことを、心の底から悔やみ嘆いた。



私の人生で、最も惨い一夜が幕を開けた。



つづく



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【Profile 8】
氏名:井上誠
職業:メガネ
好きなもの:ウンコ
好きな台詞:最高のウンコは輝かしいほどに黒光りしているものなんだ!!
特技:一発芸
麻雀の称号:フンコロガシ
備考:エロいけど、とってもいい人です。


蠍【7人目・ナカバシマリナ編】

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J「ロン。3万6千。すまない。これで…終了だ。」



それは、見事な逆転劇。
梶原くみは、その逸材に静かな興奮を覚えた。

天和を棄てた時は、気でも狂ったのかと思ったが。
まさか、あそこからトリプル(三倍満)を和了るとは…

『誰かを庇いながら勝てるほど、甘い戦いではない』

などと、悟ったような思考にとらわれていた自分が、少し恥ずかしい。
彼は、初めから『森田歩以外からのトリプル直撃』での終局を狙っていたのだろう。
親のトリプルは36000点。
森田歩が『条件』をクリアするまではアシストに徹し、その後、自分の親番でトリプルを和了って、誰かをトばす。
これが彼にとっての理想形。
そして、結果…彼は見事に、その理想を現実にした。
それは、運気の流れでも支配しない限り、不可能な所業に思えた。

『運気の支配』

これが彼の才能か??
だとしたら、こと麻雀において、彼はほぼ無敵。
恐ろしい才能…果たして、彼を倒す術はあるのだろうか??
嗚呼、なんて楽しい夜なの。

なんにせよ、『Dブロック』の勝者は、彼ら『3名』に決まりだ。

1着:ナカバシマリナ(52000点)
2着:城之内コゴロー(37700点)
3着:森田歩(35200点)

4着:岡本和樹(-24900点)



【ナカバシマリナ編・第壱話】

目の前で、『条件』をクリア出来なかった男の姿が、視界から消える。
ペイヴィットが言っていた『奈落の底』とは、文字通りの『奈落』だった。
男が白い床に、ぽっかりと開いた黒い空間に吸い込まれて、姿を消した。
断末魔に近い、叫びを上げながら。

クスッ

その光景が、奈落に落ちる瞬間の男の何とも言えない『表情』が、あまりに滑稽に感じられ、閉じていた口元が、思わず緩んでしまう。
その反応が気に入らなかったのか、隣にいた『お兄ちゃん』が、私に食ってかかってきた。

J「何がおかしいんだ??」

マリナ「え??」

J「人が目の前で、あんなことになったのに…何で笑えるんだ??」

マリナ「別に。助かったことに安堵しちゃダメなの??それに…
『トドメ』を刺したのは、お兄ちゃんでしょ??」

J「それは…」

直接、自分が手を下したわけではないものの、自分の和了が他人の死を呼ぶ『引き金』となったのだ。
いや、『自分が和了れば相手が死ぬ』ことはわかっていたのだから…これはむしろ、殺人と同義。
人を殺してしまったことによる、行き場の無い感情を、誰かにぶつけたかったのだろう。
いいわ。お兄ちゃん。許してあげる。
せっかく巡り会えたのだし…
それに、素敵な『才能』も持ってるみたいだから。

マリナ「ねぇ。お兄ちゃん。一つ聞いていい??」

J「…なんだよ。」

あらあら。おとなしくなっちゃって。
『トドメ』って言葉に凹んだのかしら??かわいいわね。

マリナ「最後の手稗と捨て稗を見たところ…お兄ちゃん、天和だったんじゃない??」

歩「え??」

J「…まあ、な。全く意味の無い役満だったけど。」

マリナ「役満ツモ和了りじゃ、お兄ちゃんと私しか残れないものね…そんなに大切なんだ??その人。」

歩「え??え??僕??」

J「親友だからな。2人で残れないなら意味が無い。」

へぇ…妬けちゃうなぁ。
きっと私が『条件』をクリア出来てない状況だったとしても、このお兄ちゃんは、私を助けてくれなかったんだろうな。
私より、こんな冴えない男を…ね。
森田歩…うざいなぁ。

クスッ

『もしも森田歩を殺したら』

このお兄ちゃんは、どんな『表情』を見せてくれるのだろう??
『その瞬間』を想像すると、思わず、また笑みがこぼれてしまう。

J「今度は何だよ??」

マリナ「別に。仲良いなぁ、と思って。」

歩「ね、ねぇ。それよりも、これで僕ら、帰れるんだよね??」

J「ああ。多分…な。」

ピンポーン

その時。何かを合図するような音と共に、また先程と同じ、ちゃちな『校内放送』が流れてくる。

ペイヴィット「おめでとう諸君。まさか、この条件下で3人もの人間が生き残るとは…素直に称賛するよ。
君達は素晴らしい『才能』の持ち主だ。
それでは、早速『次のゲーム』を始めよう。」

ガコン

何かが開く音。
気がつけば、何も無かった部屋の真っ白な壁に、一つの空間が生まれ、光がこぼれている。

『先に進め』と言うことなのだろう。
どうやら、まだ地獄は終わらないようだ。
3人は、まるで街灯に吸い寄せられる虫のように、その光の先へと歩を進めた。



その先に待っていたのは

見知らぬ5人の男女

2台の麻雀卓

そして、先ほどまでの『何も無い白い空間』とは、打って変わった…

『裁判所を模したような部屋』



それは、非情なる第2ゲームの始まり。

そして、ナカバシマリナは…

あら。素敵。裁判所だなんて。
ふふ。森田歩…ここで、貴方に『死刑』を宣告してあげるわ。

クスッ

再び口元を緩め、邪悪な思いをのせて微笑んだ。



私の人生で、最も黒い一夜が幕を開けた。



つづく



110720_2141441.jpg

【Profile 7】
氏名:ナカバシマリナ
職業:整体師
好きなもの:マッサージ
好きな台詞:その動きはえっち過ぎるよ!!
特技:ダジャレ
麻雀の称号:蛾
備考:エロいけど、とってもいい人です。

公演前日でござい

どうも、こうだです

小さい頃、セミを紐に縛り付けて遊んでました。
犬を散歩に連れて行くときに紐で繋ぐのと同じ要領です。

セミは必死に飛んで逃げようとするのですが、
紐の長さが限界に達すると、弧を描いて地面に激突します。

初めはそれを見て楽しんでいたのですが、
セミが地面に激突する事数十回、
頭が胴体から切断されてぶっとんでいきました。
僕が虫嫌いになった日の事です。

そんな虫にまつわるトラウマを持つみなさん、「昆虫王国ムシキングダム」へおいでませ!


自分は宣伝美術ということで、当日お配りするパンフレットを現在作成しています。
紙面は限られているのですが、今回、役者のみなさんの顔写真を掲載しております。
写真は、役者のみなさんに「最愛の人と接吻する時の表情」をお願いして撮影した物です。
普段はしらない、あの人の意外な一面(性癖)が拝めるかも。

ややフライングですが、座長の写真を以下に挙げておきます。
では、劇場で!













pe


仕込み初日でござい

はいばんわ〜。

いよいよ仕込み初日に突入・本番目前となりましたご機嫌よう賦句です。

今日の仕込み、気合いを入れて入念に準備していきました。
大先輩に譲り受けたなぐり、首から仕込み図とかぶら下げるアレ(初投入)、そして軍手は予備と2つ。
さあ仕込みや!釘でも幕でもかかってこいや!ってなモンです。
現場入りした自分は、早速舞台監督・ふくさんに指示を仰ぎます。

賦「ただいま到着しました!!」

ふく「うん、じゃあ舞台は人足りてるし、上で衣装手伝っといて」

賦「Oh...」



なぐりはそっとバッグに戻しました。
首からのアレはお洒落アイテムにしました。
軍手は針山に使いました。



後でそっと見たら、ハンパない綺麗で迫力ある舞台が出来上がっていました。



Oh...

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