〜前回までのあらすじ〜
ヒーローを夢見るサソリ・レッドとフンコロガシ・ブラウンはムシキングダムに迫るかつてない脅威に備え、戦隊モノのヒーロー目指して、あと三人の仲間を探す旅に出たのであった。
ブラウン『レッド君!!お待たせ!!とびっきりの速ぇ車(ウンコ)を用意したよ!!』
レッド『遅かったじゃないかブラウン。心配したぞ。』
ブラウン『ふふ。こいつを探すのに時間がかかってね。』
レッド『そいつは…??』
ブラウン『ウンコを極限まで乾かして、干からびかけた所に水分を与えてはまた乾かす…
そんな苛烈な苦行を与えることでウンコの硬度を極限まで引き上げる…という行為を先祖代々続けてきた結果生まれたウンコの中のウンコ。
その硬度はダイヤモンドにも匹敵するという。
ウンコの硬度はウンコが転がる速度に1番影響を与えるファクターだからね。
こいつより速いウンコを、僕はまだ見たことがないよ。』
レッド『なるほど…確かに神々しい輝きを放っているな。』
ブラウン『ふふ。わかるかい??
最高のウンコは、茶色ではなく、輝かしいほどに黒光りしているものなんだ!!』
レッド『名前は??』
ブラウン『弾丸ウンチ…
略して…【ガンツ】だ』
レッド『ガンツ…』
レッドがガンツに手を触れた瞬間、ガンツの側面に光の筋が入り、扉の模様をかたどっていく。
瞬く間にガンツの側面には扉が出来上がり、さながらカウンタックのガルウイング方式のごとく扉が開いてゆく。
レッド『…な!?ま、まさか…!?』
ブラウン『気付いたかい??その通りだよ。』
ブラウンは静かに頷いた。
レッド『(ウンコの)内部から操縦出来るのか!?』
ブラウン『あぁ。ガンツは、ウンコの上に乗ってウンコを転がす、いわゆる【上乗りタイプ】ではなく、ウンコの内部にあるウンコクピットからウンコを自在に操縦出来る【中乗りタイプ】なんだ!!』
レッド『ジーザス…!!は、早く乗ろうぜブラウン!!』
ブラウン『ははは。そう焦るなよ。ウンコは逃げやしないよ。
それよりも、行き先は決まっているのかい??』
レッド『あぁ。最近、ここいらで未開のジャングルが見つかったのは知っているか??』
ブラウン『あぁ…確か、【コンクリート・ジャングル】とか言う』
レッド『イエス。そこに、めっぽう強ぇ奴がいるらしい…
まずは、そいつに会いに行く。』
ブラウン『へぇ…そいつの名前は??』
レッド『…ゴキブリ・ブラック!!』
ブラウン『ゴキブリ…ブラック…僕と色が被るな…まあ、いい。そいつは仲間になってくれそうなのかい??』
レッド『さあな…まあ力づくでも仲間にするさ。』
ブラウン『頼もしいな。勝算は??』
レッド『5分5分だな。だが勝つしかない。
勝たなきゃ世界が終わるんだ。
返すべき道はどこにも無い。行くぞブラウン!!』
ブラウン『あぁ!!』
レッドとブラウンが颯爽とガンツに乗り込む。
ブラウン『超高速機動ウンコ【ガンツ】発進!!』
レッド『発進!!』
瞬間ウンコが火を噴き、凄まじいスピードで大地を駆け抜ける。
目指すは未開の地【コンクリート・ジャングル】
〜一方コンクリート・ジャングルでは…〜
カマキリ『馬鹿な…中国4千年の歴史【蟷螂拳】が…敗れると言うのか…』
ブラック『甘いな。たかだか4千年の歴史などにオレが負けるわけがない。
こちとら星が誕生した時から、この世界に君臨してきたんだ。
ゴキブリ30億年の歴史を舐めるな!!』
つづく
次回『紅と茶のMATADOR〜黒き旋風〜』
レッド『ここは…本当に地球なのかよ!!』
写真はフンコロガシ・ブラウン