スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

  • 2014.03.16 Sunday
  • -
  • -
  • -
  • -
  • -
  • by スポンサードリンク

蠍【9人目・寺村拓也編】

110720_2138001.jpg
『審美眼』と言う言葉がある。
平たく言うと、『美を的確に見極める能力』だ。
寺村拓也は『理』を的確に見極めることが出来た。
それは、さしずめ『審理眼』とでも呼べるもの。(そんな言葉は日本には存在しないが)

寺村拓也の眼は、この世の理に生じる、微かな違和感を見逃さない。
言葉、外見、表情、仕種、ありとあらゆるツールが、違和感を以って彼に語りかける。

『コレは嘘だ。』

と。彼の眼に見抜けない嘘は、皆無。
彼の眼に映るものは、『真実』のみ。
だから彼は、その『才能』を最大限に活かす職業を選択した。
全てが順調だった…そう。あの、うだつの上がらなさそうな刑事の『依頼』を受けるまでは…



【寺村拓也編・第壱話】

それは、全くの偶然だった。
”たまたま”冴えない男が『その写真』を持って、私の事務所を訪れた。
”たまたま”その時に、テレビがつけっぱなしになっていた。
”たまたま”そのテレビのニュースに『ある人物』が映っていた。
それは、日本で最も有名な人物。
日本の顔とも呼べる者。

そして、私は気づいてしまった。

テレビから感じる違和感。
ソレが、写真からもたらされるものであると言うことに。

写真が無ければ、テレビをつけていなければ、気づかなかったであろう違和感。

しかし、私は気づいてしまった。

写真に写る『彼』と、テレビに映る『彼』とが、同一人物であることに。

それは、とても不幸なこと。

『知らない方が幸せな事実』

なんて、この世には、ごまんとある。
『ヴィヴィアン』については、私も少なからず、興味があった。
だから、この冴えない刑事が依頼を持って来た時、私は多少の高揚感を感じていた。
だが…これは、もはや私個人がどうこう出来るレベルの話ではない。
もしも、今テレビに映っている『彼』が事件に関わっているのなら…

私は消されるかもしれない。

全く。とんでもない案件を持って来てくれたものだ。
こいつは死神か??とぼけた顔しやがって。
とにかく、この依頼は断らなくてはダメだ。

そう思った矢先のことだ。私は窓の外に、『ある違和感』を感じた。
4つの格子に切り取られた、小さな風景に紛れ込んだ、小さな異物。
常人ならば決して気付くことのない、微かな光。
職業柄、たまに感じることがある、頭から爪先まで、ねっとりと纏わり付くような嫌悪感を伴う『違和感』…
そう。これは、『監視されている』時に感じるモノだ。

最悪だ…一体いつから??誰が??何のために??この男を付けてきたのか??
だとしたら…くそ。くそ。くそ。くそ。くそ。くそ。くそ。
井上誠って言ったか??呑気な顔しやがって!!
簡単に尾行されてんじゃねーよ!!
くそ!!こいつ、刑事って言ってたよな。
役職は…巡査部長??愚図が!!
巡査部長ごときが、どうこう出来る事件じゃねぇんだよ!!

私は目の前にいる、愚鈍な男を猛烈に罵ってやりたい衝動に駆られながらも、今出来る最善の行動を模索していた。
とは言え、相手は『権威』の最高峰。
私に出来ることなど何一つ無いと言っても過言ではない。
この状況は文字通り、『詰んだ』も同然。
ならば、いっそ…

井上「ど、どうでしょう??何かわかりそうですか??」

私は、目の前で愚劣な笑みを浮かべる愚鈍を極めた愚図を見て考える。

全くアテには出来ないが…
目には目を。権威には権威を…
万に一つ。いや、億に一つの可能性に賭けて、コイツをけしかけるか。
『警察』と言う名の権威が、果たして、『国そのもの』と言っても過言ではない権威に、どこまで立ち向かえるのかは、わからないが…

私は奇跡が起こることを願い、目の前の愚図…井上誠に『私が見抜いた真実』を告げることにした。

寺村「単刀直入に言います。この写真の男が、事件にどう関与しているかまではわかりませんが…
この男は…」

----------------------------

この選択が、大きな間違いであったことに気づいたのは、それから数日後のことだった。
いや。私が『真実』に気づいてしまった時点で、選択肢など無かったのかもしれない。
この国にとって、『ヴィヴィアンに触れること』は罪なのだ。
そして罪は償わねばならない。

今、私はその償いを行うために、裁判所…いや、『裁判所を模した部屋』にいる。
私をこんな異常事態に巻き込んだ愚図…井上誠と共に。
部屋にいるのは、私達を含めた8人の男女。
催されるは、悪魔の審判。

ペイヴィットと名乗る者から告げられた『セカンド・ゲーム』のルールは至極単純なもの。



・2卓に分かれての半荘1回勝負

・アリアリ。箱アリ。

・それぞれの卓で、トップを獲った者が…

『誰を殺すか』を1名指名する…



それは、人の奥底に眠る深い闇が顔を覗かせる、忌まわしいゲーム。
このゲームの行き着く先に未来があるのかどうかはわからないが…
ひとまずは、今を生き延びよう。

私が勝った暁には…お前を指名してやろう。
私をこんな目に合わせた張本人…井上誠!!



つづく



110720_2138001.jpg

【Profile 9】
氏名:寺村拓也
職業:探偵
好きなもの:カピバラ
好きな台詞:寄生とは、漢字で『寄り添い生きる』と書きます。
特技:宴会芸
麻雀の称号:寄生虫
備考:変態だけど、とってもいい人です。

蠍【8人目・井上誠編】

110717_1521341.jpg
嗚呼。なんだって、こんなことに…

井上誠は後悔していた。
これまでの人生、様々な後悔をして来たつもりだが、今回のソレは今までの比では無い。

凄まじい痛みを体中に受け、井上誠は朦朧とする意識の中…

『こんな事件に関わるんじゃなかった…』

果てしない後悔の渦に呑まれて行った。



【井上誠編・第壱話】

刑事になって、早30年。
それなりに修羅場をくぐってきたつもりだし、いくつか命の危険を感じた場面もあった。
しかし…私の目の前に佇む、この男が発する重圧は…
今まで感じてきた、あらゆる重圧が、赤子同然に感じられるほど、暗く重い『死の雰囲気』を孕んでいた。

ペイヴィット「やれやれ。平凡な男と思って、放っておいたら、まさかココまで…
君を私まで導いたのは、一体誰だ??」

井上「さあ??なんの話だ??君に辿り着いたのは、私の努力の賜物だよ。」

ペイヴィット「ふふ。見え透いた嘘を。君のような凡人が、『あの写真』1枚から、私に辿り着けるとは思えない。」

井上「ははは。いやいや。凡人だって頑張れば、努力が実を結ぶことが」

ペイヴィット「凡才は秀才にはなれるが、天才にはなれない。
それは、自然の摂理だ。
君を私まで導いた者がいるはず。それは誰だ??」

彼の側近と思われる男が2人。
私の両腕を捩り上げる。痛い。

これは…もしかして…
巷で聞くところの『拷問』と言うやつが始まるのだろうか。嫌だ。

ボキッ

前置きもなく、いきなり腕が折られる。

痛いぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!!!!!!!!

井上「て、寺村拓也と言う探偵に聞いた。」

ペイヴィット「痛みに、すぐ屈する…0点だな。目的は??」

井上「ヴィヴィアンについて知りたい。」

ベキッ

何故か、もう一本の腕が無情にも、音を立てて崩れ去る。

何故だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!

ペイヴィット「これ以上の痛みを受けたくないから、『敵』の質問にすぐ答える。0点。
今さら、君がヴィヴィに興味を持つとは思えないな。
興味を持っているのは…誰かな??」

何??なんだこの男??
まさか、歩のことを言っているのか??
そ、それだけは…

井上「…殺せ。」

ゴキッ

肩ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!

肩!!肩が外された!!

ペイヴィット「他人の情報はすぐに漏らしたのに、身内の情報は漏らすまいとする。平凡な考えだ。0点。
森田歩君と言ったかな??君と違って聡明そうな子だね。」

ペイヴィットが胸元から1枚の写真を取り出し、耳元でそっと囁く。
もしもこの世に、死神と言うものが存在するなら、ソレが放つ息吹は、このような重く冷たいものなのだろう。

井上「ば、馬鹿を言うな。その子はまだ16歳。20年前の事件なんて」

ペイヴィット「喋る速度がさっきよりも、わずかに速くなったな。
瞬きの回数は約2倍。目が泳いでいる…
嘘をつくなら、もっと冷静になりたまへ。0点だ。」

ザシュッ

私の左手から、熱い衝動が体全体に駆け巡る。
嗚呼…これが、熱き血潮の鼓動か…
宙を舞う指を見て、私は意識を失いかけた。しかし…

ザクッ

右手に刻まれた鋭利な感覚が、私の意識を再び、現世に呼び戻す。

馬鹿な…意識を失うことすら、許されないと言うのか??
これなら、いっそ…

ペイヴィット「死んだ方がマシ。とでも思ったかな??
いいぞ。その感覚はとても大切だ。
生きることへの絶望。
『才能』を伸ばす一番の劇薬は、いつの時代も『絶望』なのだ。
闇が無ければ、光が輝かないように、絶望が無ければ、希望は生まれ得ない。
『才能』と言う名の希望は、絶望と言う名の闇に彩られて、初めて輝きを手に入れる。
まあ、君に『才能』のカケラは見出だせないが…」

怖い。怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い。

この男は恐らく、初めから全部知っていた。
私が探偵を雇っていたことも、私が歩のために、調査をしていたことも。
知った上で、私を『試した』のだ。私に『才能』があるのかないのか…
なんとなくわかる。
この男は『才能』を求めている。
そして、ヴィヴィアンが残した、あの言葉…

ペイヴィット「才能を創りたかったの…」

!?!?!?!?!?

ペイヴィット「ヴィヴィのことを嗅ぎ回っていたのなら、この言葉は知っているかな??」

間違いない。整形でもしたのか、20年前の面影は全く無いが…この男が『写真の男』だ。

ペイヴィット「私まで辿り着けた、ご褒美だ。
君の中に『才能』を創ってやろう。
『才能が何も無い』と言うのも、また一つの『才能』
『才能』の『上乗せ』は難しいが…真っ白なキャンバスには、色もつけやすい。
貴重なんだ。君のような凡人も。」

嗚呼…こんな事件に関わるんじゃなかった。
世の中には開けてはいけない、パンドラの匣がある。

ペイヴィット「さあ。じっくりと、君のキャンバスに色をつけよう。
絶望と言う名の彩りで。」

私はソレを開けてしまったことを、心の底から悔やみ嘆いた。



私の人生で、最も惨い一夜が幕を開けた。



つづく



110717_1521341.jpg

【Profile 8】
氏名:井上誠
職業:メガネ
好きなもの:ウンコ
好きな台詞:最高のウンコは輝かしいほどに黒光りしているものなんだ!!
特技:一発芸
麻雀の称号:フンコロガシ
備考:エロいけど、とってもいい人です。


蠍【7人目・ナカバシマリナ編】

110720_2141441.jpg
J「ロン。3万6千。すまない。これで…終了だ。」



それは、見事な逆転劇。
梶原くみは、その逸材に静かな興奮を覚えた。

天和を棄てた時は、気でも狂ったのかと思ったが。
まさか、あそこからトリプル(三倍満)を和了るとは…

『誰かを庇いながら勝てるほど、甘い戦いではない』

などと、悟ったような思考にとらわれていた自分が、少し恥ずかしい。
彼は、初めから『森田歩以外からのトリプル直撃』での終局を狙っていたのだろう。
親のトリプルは36000点。
森田歩が『条件』をクリアするまではアシストに徹し、その後、自分の親番でトリプルを和了って、誰かをトばす。
これが彼にとっての理想形。
そして、結果…彼は見事に、その理想を現実にした。
それは、運気の流れでも支配しない限り、不可能な所業に思えた。

『運気の支配』

これが彼の才能か??
だとしたら、こと麻雀において、彼はほぼ無敵。
恐ろしい才能…果たして、彼を倒す術はあるのだろうか??
嗚呼、なんて楽しい夜なの。

なんにせよ、『Dブロック』の勝者は、彼ら『3名』に決まりだ。

1着:ナカバシマリナ(52000点)
2着:城之内コゴロー(37700点)
3着:森田歩(35200点)

4着:岡本和樹(-24900点)



【ナカバシマリナ編・第壱話】

目の前で、『条件』をクリア出来なかった男の姿が、視界から消える。
ペイヴィットが言っていた『奈落の底』とは、文字通りの『奈落』だった。
男が白い床に、ぽっかりと開いた黒い空間に吸い込まれて、姿を消した。
断末魔に近い、叫びを上げながら。

クスッ

その光景が、奈落に落ちる瞬間の男の何とも言えない『表情』が、あまりに滑稽に感じられ、閉じていた口元が、思わず緩んでしまう。
その反応が気に入らなかったのか、隣にいた『お兄ちゃん』が、私に食ってかかってきた。

J「何がおかしいんだ??」

マリナ「え??」

J「人が目の前で、あんなことになったのに…何で笑えるんだ??」

マリナ「別に。助かったことに安堵しちゃダメなの??それに…
『トドメ』を刺したのは、お兄ちゃんでしょ??」

J「それは…」

直接、自分が手を下したわけではないものの、自分の和了が他人の死を呼ぶ『引き金』となったのだ。
いや、『自分が和了れば相手が死ぬ』ことはわかっていたのだから…これはむしろ、殺人と同義。
人を殺してしまったことによる、行き場の無い感情を、誰かにぶつけたかったのだろう。
いいわ。お兄ちゃん。許してあげる。
せっかく巡り会えたのだし…
それに、素敵な『才能』も持ってるみたいだから。

マリナ「ねぇ。お兄ちゃん。一つ聞いていい??」

J「…なんだよ。」

あらあら。おとなしくなっちゃって。
『トドメ』って言葉に凹んだのかしら??かわいいわね。

マリナ「最後の手稗と捨て稗を見たところ…お兄ちゃん、天和だったんじゃない??」

歩「え??」

J「…まあ、な。全く意味の無い役満だったけど。」

マリナ「役満ツモ和了りじゃ、お兄ちゃんと私しか残れないものね…そんなに大切なんだ??その人。」

歩「え??え??僕??」

J「親友だからな。2人で残れないなら意味が無い。」

へぇ…妬けちゃうなぁ。
きっと私が『条件』をクリア出来てない状況だったとしても、このお兄ちゃんは、私を助けてくれなかったんだろうな。
私より、こんな冴えない男を…ね。
森田歩…うざいなぁ。

クスッ

『もしも森田歩を殺したら』

このお兄ちゃんは、どんな『表情』を見せてくれるのだろう??
『その瞬間』を想像すると、思わず、また笑みがこぼれてしまう。

J「今度は何だよ??」

マリナ「別に。仲良いなぁ、と思って。」

歩「ね、ねぇ。それよりも、これで僕ら、帰れるんだよね??」

J「ああ。多分…な。」

ピンポーン

その時。何かを合図するような音と共に、また先程と同じ、ちゃちな『校内放送』が流れてくる。

ペイヴィット「おめでとう諸君。まさか、この条件下で3人もの人間が生き残るとは…素直に称賛するよ。
君達は素晴らしい『才能』の持ち主だ。
それでは、早速『次のゲーム』を始めよう。」

ガコン

何かが開く音。
気がつけば、何も無かった部屋の真っ白な壁に、一つの空間が生まれ、光がこぼれている。

『先に進め』と言うことなのだろう。
どうやら、まだ地獄は終わらないようだ。
3人は、まるで街灯に吸い寄せられる虫のように、その光の先へと歩を進めた。



その先に待っていたのは

見知らぬ5人の男女

2台の麻雀卓

そして、先ほどまでの『何も無い白い空間』とは、打って変わった…

『裁判所を模したような部屋』



それは、非情なる第2ゲームの始まり。

そして、ナカバシマリナは…

あら。素敵。裁判所だなんて。
ふふ。森田歩…ここで、貴方に『死刑』を宣告してあげるわ。

クスッ

再び口元を緩め、邪悪な思いをのせて微笑んだ。



私の人生で、最も黒い一夜が幕を開けた。



つづく



110720_2141441.jpg

【Profile 7】
氏名:ナカバシマリナ
職業:整体師
好きなもの:マッサージ
好きな台詞:その動きはえっち過ぎるよ!!
特技:ダジャレ
麻雀の称号:蛾
備考:エロいけど、とってもいい人です。

蠍【6人目・城之内コゴロー編】

110717_1551261.jpg
ペイヴィットは言っていた。

「我々の心臓を穿つのは『蠍』だ。」

と…だから私は、この一戦を本当に楽しみにしていた。

【Project蟲毒】のキーパーソン。

自分達にとって『究極の敵』と、なりうる者。
それを自分達で育てる、と言う矛盾。
蠍の毒を上手く飲み込み、自分達の糧に出来るか否か。
胸が自然と高鳴る。

梶原くみは、モニターに写る少年…『蠍』を好奇の目で、まじまじと見つめていた。

少年はここまで特別、大した動きは見せていない。
どうやら、一緒の部屋にお友達が入ってしまったらしく、先程からずっと、お友達のアシストに徹している感じだ。
愚かな…命が懸かった極限の戦いで、アシストに徹するなど。
才能はあっても、それを使いこなす器は無いのか??
誰かを庇いながら勝ち抜けるほど、ここでの戦いは甘くないのに。
その証拠に、ほら…

オーラスを向かえて、少年は脱落寸前だ。

ペイヴィットが『究極の敵』とまで称していた者が、まさか『最初の選別』で姿を消すとは…

ザワッ

それは、私の興味が少年から失せかけた時だった。
少年の配稗を見て、周囲がざわつく。

「天和…」

誰かが呟いた。

ほう…!!ここに来て天和とは。
私も実際に、この目で天和を見るのは初めてだ。
これは彼の才能によるものか??なるほど。面白い。
これで、お友達を蹴落として、彼がトップで、決着だ。

『勝負がついた。』

誰もが、そう思った。
しかし次の瞬間…私は生まれて初めて、言葉を失った。

なにを…なにをしているの!?この子は!?

『蠍』の少年…城之内コゴローは、あろうことか、天和を棄て、聴稗を崩し始めたのだ。



【城之内コゴロー編・第壱話】

ペイヴィット「ルールは半荘1回勝負。アリアリ。トビ有り。
35000点以上を獲得した者が勝ち抜けだ。
例えトップを獲っても、点数が条件に満たない者は…須らく『奈落の底』へと、落ちることになるだろう。」

城之内コゴローは直感していた。
ソレが脅しではないことを。

『危険察知』

理屈はわからないが、オレは幼い頃から、直感で『己の身に迫る危険』を察知することが出来た。
そう。事故の予兆から、麻雀で言うところの『危険稗』まで、ありとあらゆる危険を。
おかげで、これまでの人生は、怪我や事故とは無縁のものだった。

その直感がガンガンと警鐘を鳴らして言っている。

『こいつの言葉は危険だ』と。

そして、何故かオレの隣にいるクラスメートの森田歩。
歩とは小学校からの付き合いで、オレにとって、唯一の親友と言ってもいい存在だ。
その歩が青ざめた顔で、こう呟いた。

「ヴィヴィアンだ…」

と。歩が、よく話していた『ある凄惨な事件』の犯人。

今の、この異常な事態が、ソイツの仕業だと??
20年も前の事件だぞ??
大体、オレ達を狙った意図は何だ??

くそっ。考えても埒があかない。
今はまず、『歩と2人で生き残ること』を考えなければ…
恐らく、この勝負。負ければ、命を落とすことになる。

お世辞にも、歩は『麻雀が上手い』とは言えない。
加えて、勝利条件の『35000点』…
4人の持ち点が合計100000点しか無い中で、2人が共に35000点を超えるのは至難の業だ。
オレがなんとかしないと…

歩「J君…僕のことは気にしなくていいから…自分の麻雀を、貫いてね。」

歩が泣きそうな顔で言う。
歩も、この条件の中『2人で生き残ること』は至難の業だと、わかっているのだろう。

J「大丈夫だ。オレがなんとかしてみせる。」

根拠は無い。だが、不思議と自信はあった。
問題は…この勝負の結果、『オレ達以外の誰かが命を落とすことになる』と言うこと。

オレは…『その時』が来たら、迷わず、降り下ろすことが出来るだろうか。
誰かの命を奪う、死のタクトを。



オレの人生で、最も重い一夜が幕を開けた。



つづく



110717_1551261.jpg

【Profile 6】
氏名:城之内コゴロー
職業:パフォーマー
好きなもの:モンハン
好きな台詞:深紅の痛みを受けよ。
特技:スカーレット・ニードル
麻雀の称号:蠍
備考:エロいけど、とってもいい人です。

蠍【5人目・森田歩編】

110717_1554331.jpg
都市伝説(としでんせつ、)…近代あるいは現代に広がったとみられる口承の一種。
伝説は、テレビのニュースのように、生き生きとして『事実に即したもの』として生き残ってきた。
また、ソレは人々の死や怪我、誘拐や悲劇、そしてスキャンダルにかかわる傾向を持っている。

----------------------------

都市伝説を調べて行くのはとても楽しい。
その話は、怖いものからユーモラスなものまで様々で、全国、全世界で、今この瞬間にも、新しい噺が生まれているかと思うと、心が躍る。
特に、僕が通う青龍学園に伝わる伝説は非常に興味深いものがある。
僕は、その伝説の真相が知りたくて、この高校に来たと言っても過言ではないのだ。



【森田歩編・第壱話】

最近、学校で話題になっている噂がある。
森田歩は、学校の図書館で、都市伝説に関する様々な資料を探しながら、その噂に関する憶測を頭の中で繰り返す。

『ヴィヴィアンが帰って来た。』

今からちょうど20年前。この学校がまだ『蛍池龍神小学校』と呼ばれていた頃に、学内で起こった、『ある凄惨な事件』の犯人。ヴィヴィアン。
事件が凄惨さを極めたこと、被害者が夥しい数となったこと、そして犯人が『若干12歳の少女』だったことが、当時の人々の興味を強く魅きつけた。

当時の資料はほとんど残っておらず、犯人の動機や殺害方法が全く未知であること、『犯人のその後』に関する情報が一切わからないことから、様々な憶測が流れ、都市伝説と呼ばれるに至る。

その蛍池龍神小学校が潰れた跡地に立てられた学園が、僕が通う、この青龍学園…と言うわけだ。
そんなイキサツもあって、この学園には、いわゆる『怪談』の類が数多く存在する。
首無し少女、真夜中のピアノ、秘密の保健室etc...etc...
まあ、どこにでもありそうな下らないものばかりだ。
僕はそういう類のものには一切興味が無かった。
僕が知りたいのは、ただただ事件の真相。この一点のみ。
この事件には、身の毛もよだつような真相が隠されている気がする。
それは…僕が『知って』いるから。
大多数の人々が知らない『ある情報』…当時、事件を担当していた、親戚の『井上さん』に聞いた極秘の情報。
それは、この犯人が、この少女が写った1枚の写真と、少女が残した、『この犯行の動機とも呼べる』最後の言葉。


…才能を創りたかったの。でも私にはまだ早かったみたい。中々やるわね、神様も。…


才能を『創りたかった』…
『欲しかった』ではなく、『創りたかった』…一体、どういうことだろう。
彼女は、夥しい数の死体を積み上げたその先に『何を』創ろうとしていたのだろう。

『ヴィヴィアンが帰って来た』

この学校の誰かが言い出した噂。
それは『最近このあたりで続いている失踪事件の犯人が、ヴィヴィアンではないのか』と言う、根拠も何も無いもので、まあ都市伝説にありがちなパターンだ…

しかし、僕の頭の中では、ヴィヴィアンが残した『まだ早かった』と言う言葉が、いやに引っかかる。

『まだ早かった』…今なら??今なら彼女は『ソレ』を創れるのだろうか??

そして、何よりも気になるのは、この写真。
フレームの中央に1人の美しい少女…と、1人の男性の姿が写っている。
この男性は一体、誰だろう。
歳は30代半ばと言ったところだろうか??
少女の父親??叔父??親戚??
少女の家族構成・出生などは一切わからないらしく(「当時の捜査でも一切、謎だった」と井上さんが言っていた。)また、この男性については、名前すらわからない状況だったと言う。
そんなことが、ありえるのか??
この事件には何らかの『大きな意思』が働きかけているような感じがしてならない。
それは…

キーンコーンカーンコーン

あぁ。下校のチャイムだ。
今日も事件に関する情報は何も得られなかったな。
まあ仕方がないか。
この学校の図書館に眠る、資料の数は尋常じゃないからな…
根気よく行こう。

ブーンブーン。ブーンブブブブーン。

携帯のバイブレーションが、陽気なリズムを刻む。
このリズミカルなバイブは…




『城之内コゴロー』

やっぱり。城之内君…通称、J君だ。
そういえば、今日はJ君と麻雀をする約束だったっけ。
すっかり忘れてたな…早く行かないと。
僕は読みかけの資料を後にし、J君の家へと向かった。麻雀をしに。
そして、その道中で僕は…



目が覚めた時、僕は予定通り、麻雀を行うことになる。

見知らぬ場所で
命を懸けた
地獄のような麻雀

唯一の救いは…
僕の隣にJ君がいてくれたことだ。



僕の人生で、最も酷い夜が幕を開けた。



つづく



110717_1554331.jpg

【Profile 5】
氏名:森田歩
職業:忍
好きなもの:NINJA
好きな台詞:今の、オレじゃなかったら死んでましたよ。
特技:アメンボの術
麻雀の称号:蜂
備考:エロいけど、とってもいい人です。

蠍【4人目・繁澤邦明編】

101009_1416551.jpg
不能。不当。不等。不調。不遇。不適。不平。不満。不安。不信。不憫。etc...etc...

全ての『不』をかき集めた『負』の人生。
愛する妻と娘に逃げられ、借金取りに家を追われた、不幸な夜。
オレは改めて自分の不運を呪い嘆いた。



【繁澤邦明編・第壱話】

『まだ、これ以上の底があるのか』と思わずにはいられない。

不穏な路地裏で出くわした不審な現場。
まさか、人が拉致される様をこの目で拝むことになるとは。全く、なんて夜だ。

出張から一ヶ月ぶりに帰って来た我が家で待っていたのは、愛する妻子ではなく、いかつい、おっさん。
家屋も家具も差し押さえられ、妻も娘もオレの通帳も姿を消して、オレは文字通り『全て』を失った。
オレに残されたのは、くたびれたスーツと家族の為に買って来た、お土産のみ。
空っぽになった部屋は、まるでオレの心を映す鏡のようだった。
そのまま途方にくれて、目的もなく歩いていたら、この有様だ。
人がゴミ出しのゴミのように車に放り込まれている。

嗚呼…目が合った。

『誰にも言いませんから。』なんて、お決まりな台詞が通じるような甘い世界は存在しない。
『いかにも』な黒服がオレに近付いて来る。詰んだな。
全く、最後までツイてない人生だ。
この世が精神的にも肉体的にも資質や能力が徹底的に不平等で、しかもこうした不平等な個人に待ち構える運命も恐ろしく不平等なことは理解していたつもりだが、不幸もここまで極めれば、笑えてくる。

『おびただしい絶対的不幸に対して、どう対処すればよかったのか』

オレがずっと考えて来たことであり、オレはこの『正解の無い問い掛け』に対して、一つの答を持っていた。
相対的不幸は生きているかぎり絶対に避けられないのだから、相対的不幸の跋扈している世間から出来るだけ逃れればいいのだ。

そう。『人生を降りれば』いい。

人生は理不尽で不公平で、思うようにならず、どんな道を選んだとしても悩みは無くならず、いつかは歳をとり、肉体も衰え、やがては死ぬ。

そう言う達観した思いを馳せつつも、自分でソレを実行するには、いささか勇気が不足していた。
そんな自分が嫌いだった。
だが、それも今日で終わりだ。
オレは死ぬ。殺される。
嗚呼、不幸。しかし、こういう不幸なら、むしろ歓迎しよう。
短い人生だったが、これ以上の『不』を味わうぐらいなら死んだ方がマシだ。

気が付けば、男はオレのすぐ傍まで、近付いて来ていた。
そして、不敵な笑みを漏らして、こう言い放つ。

男「貴方も『持って』いますね。」

オレの人生で、最もツイていない夜が幕を開けた。



つづく


101009_1416551.jpg

【Profile 4】
氏名:繁澤邦明
職業:サラリーマン
好きなもの:幸福論
好きな台詞:ヒーローなんて幻想さ。
特技:ヒヨコのオス、メスを見分けられる。
麻雀の称号:蜘蛛
備考:エロいけど、とってもいい人です。

蠍【3人目・梶原くみ編】

100414_2136201.jpg
無数のモニターに囲まれた暗い部屋。明かりは無い。
部屋を照らすのはモニターからこぼれる微かな光。
そして、その微かな光をも覆い尽くさんとする無数の影、影、影。
その中でも一際、異彩を放つ影が口を開く。

「今夜は一体どんな『才能』が生き残るのかしら。」



【梶原くみ編・第壱話】

モニターをぼんやりと眺めながら、私は昔を思い返していた。
なんの思い入れも無い、魅力も無い空虚な日々を。

『敵がいない。』

人生において、これほど虚しいことがあるだろうか。
競い合い、認め合うことができる者がいない。
自分と同じ視点を持つ者がいない。
何をしても、私は一番になる。
ずっと、その道で努力し続けて来た者を瞬時に追い抜くことに快感を覚えたのは、10歳までだった。

なぜ、この人達はこんなに頑張っているのに、こんなにも頑張っていない私に勝てないのか。
本気で理解が、できなかった。
そして周りの者もまた、私を理解することはなかった。

私を誰も理解できないの。

私は誰も理解できないの。

誰かが言った。

『天才は天才にしか理解できない。』

ならば私は天才になど生まれたくなかった。
私は平凡で凡庸な凡百の凡人に生まれたかった。
世界が、死にたくなるほどつまらない。

なぜ??

敵がいないから。

なぜ??

私が天才だから。

私の世界がゆっくりと、しかし着実に、絶望と渇望で色濃く染められていくのがわかった。

死にたい。敵が欲しい。死にたい。敵が欲しい。死にたい。敵が欲しい。の繰り返し。
いい加減、生きることへの執着も無くなってきた頃だった。

ペイヴィットと出会ったのは。

私の中の『天才』が、歓喜の声を上げた。

『さいきょうのてきがあらわれたよ』と。

しかし、今はまだ食らいつく時ではない。
なぜなら、彼の下には『天才』が集うから。
何もせずとも何処にも行かなくとも『敵』が勝手に現れる最高のシチュエーション。
彼はあくまでメインディッシュ。
彼には最高の場所で、最高のシチュエーションで、最高のタイミングに、かじりつく。
それまでは…

ボンッ!!

無数にあるモニターの1つから、大きな爆発音。そして直後に聴こえる砂嵐。

あぁ…また『30分以内にゲームを始めなかった』愚かなチームがいるのか。
もったいない。せっかくの『才能』も使わなければ、宝の持ちぐされ。
貴重な『才能』が、お披露目されることもなく消えて行くのは残念だったが、白い部屋一面に真っ赤な華が咲くのは、いつ見ても美しい。

ピンポーン。

また無数にあるモニターの1つから、今度は無機質な音が発せられる。
この音は『ゲームが終了した』合図。
さて。今回はどんな『才能』が…ん??

ザワザワザワザワザワザワワ

どうしたのか??えらく周りが、ざわついている。
私は、そのモニターを覗きこんだ。

80分

そこに示された数字を見て、私は周囲の反応を理解した。
それは、麻雀5半荘にかかった時間。
通常、麻雀は1半荘に約40〜60分の時間がかかるもの。
5半荘を80分で行うことなど、普通に考えれば不可能なのだ。
私は素直に驚いた。
そして、続けざまに、モニターに『勝者』の名前が映し出される。
私はその名前を見て、生まれて初めて、戦慄と言うものを覚えた。
そこに映し出されていたのは、フナ虫とゴキブリの2つの名前。
ゴキブリ。亀井伸一郎…そう…麻雀のルールすら知らない、ど素人が生き残っているのだ。
一体、彼はどんな『才能』を使ったのか…
ふふ。彼もまた、私を楽しませてくれそうだ。



私にとって、最も楽しい夜が幕を開けた。



つづく


100414_2136201.jpg

【Profile 3】
氏名:梶原くみ
職業:雀士
好きなもの:敵を潰すこと
好きな台詞:『死ね』って言った方が死ね!!
特技:バレエ
麻雀の称号:タガメ
備考:エロいけど、とってもいい人です。

蠍【2人目・亀井伸一郎編】

100425_1247041.jpg
てーてーてーてれってーれてってー☆ミ てーてーてーてれってーれてってー☆ミ

携帯のアラームにしている、マリオの爽快な電子音が、だだっ広い部屋で虚しく鳴り響く。
殺伐とした雰囲気とはあまりにそぐわない電子音に、1人吹き出しそうになる。
しかし、周りの3人からは何の反応も見られない。
なんて面白みの無いやつらでござる…
こんな異質な空間だからこそ、ユーモアを忘れてはいけないと言うことを最近のチャラチャラした奴らはわかっていないらしい。
日本オワタ\^o^/


【亀井伸一郎編・第壱話】

はぁ。一体どうしてこうなったでござる。
拙僧は確かに先程まで、ピーチとちちくり合っていたはずなのに…
まさに今からピーチのピーチをピーチクパーチクするはずだったのに…
気が付けば、何やらわけのわからぬ場所に放り込まれ、わけのわからぬ奴に「殺し合え」と言われる始末。
しかも、殺し合いのルールが…麻雀??
勘弁してほしいでござる。
拙僧、生まれた頃からマーリオしか、したことないでござるよ。
マージャンなんてルールもわからないと言うのに…

----------------------------

ペ「ルールは簡単だ。君達の目の前に、机と、ある遊具が置いてあるだろう。そう。麻雀だ。
麻雀のルールぐらいはわかるな。
半荘5回勝負。アリアリ。箱なし。総合トップと2着の2人のみ、この部屋からの脱出を許可する…
残りの2人は…言わなくても想像はつくかな??
なお、30分以内に『ゲーム』を始めない場合…私自身も望まない結果ではあるが…
ソコが君達全員の墓場になる。
以上だ。質問は受け付けない。
では…諸君らの健闘を祈る。」

----------------------------

泣きたいでござる。
麻雀など漫画の中でしか見たことないでござるよ。
マーリオなら負けないのに。マーリオなら…
うぅ。ピーチ。ピンチ。拙僧は今、史上最大のピンチを迎えているでござるよ!!ピーチ!!
どうか…どうか、拙僧に其方の加護を。

女「おい。そこの配管工。さっさと卓につけよ。」

100425_1247041.jpg

亀井「はぁ!?誰が配管工でござるか!?拙僧はマーリオでござる!!」

女「配管工だろうが。いいから早く座れよ。きめぇな。時間がねぇんだ。空気読めバカ。」

…なんっなんでござるか!?この女は!?
目上の者への口の聞き方も知らないでござるか!?
しかも、なんでござるか!?その節操の無い格好は!?
ほとんど裸ではござらんか!!
これだから、三次元の女は…
けしからんでござる。
やはり、女は二次元に限るでござる。ピーチ…拙僧は其方に出会えたことを、まっこと誇りに思う。

女「おい。早くしろよ。おっさん。30分以内に始めねぇと、やべぇっつってたろ!!」

なんて憎たらしい。ゲームで人を殺すなんて…と思っていたが、このアバズレなら殺しても構わんでござる。
しかし、麻雀のルールがわからないのは致命的でござるな…
誰かに教えてもらうとするか。

100425_1247041.jpg

亀井「わかったでござる。ただ、拙僧、麻雀のルー…」

100425_1247041.jpg

ハッ!?

言いかけたところで、その言葉を発するリスクに気がつく。
拙僧の目の前にいる3人が、どれほどの麻雀レベルなのかはわからないが…『ルールを知らない』拙僧は間違いなく底辺。
このことが3人にバレたら…
まず最初に、拙僧が消されるのではないか??
いや、間違いなく消される。
かと言って、ルールを知らないままゲームに参加するのは自殺行為…
どうする??どうするマーリオ??

その時!!拙僧の頭の中で雷鳴が轟く!!
とんでもない『突破口』を見つけたのだ!!
拙僧は、その『突破口』を皆に提案した。

亀井「マージャンではなく、マーリオで勝負しないでござるか??
あ、いや。別にマージャンがわからないとかではなくて、マージャンが好きでないと言うか…
マーリオの方が、みんな楽しくゲームが出来ると思うでござる。
別にマージャンのルールがわからないわけではないでござるよ。
ただ、マーリオは素晴らしいゲームでござる。」

ナイス提案!!ナイス提案でござるぅ!!
まさに起死回生!!九死に一生のウルトラC!!
マーリオなら誰にも負けないでござるよー!!

女「お前、もしかして…」

今西「麻雀できねぇのか??」

100425_1247041.jpg

!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?

ば…バレたー!!!!!!!!!!

100425_1247041.jpg

拙僧にとって、最も辛い夜が幕を開けた。



つづく

100425_1247041.jpg

【Profile 2】
氏名:亀井伸一郎
職業:ダンサー
好きなもの:マーリオ
好きな台詞:オレの求愛フェロモンが、ひぁ・うぃ・ごぅ!!
特技:フリーダンス
麻雀の称号:ゴキブリ
備考:エロいけど、とってもいい人です。

蠍【1人目・今西刑事編】

刑事1.JPG
みんみん。みんみん。と、小蝉達がご機嫌なコーラスを奏でる昼下がり。
気がつけば、オレは怒号飛び交う喧騒の真っ只中で目を覚ました。
頭が痛い。昨日は友人達とノーパンしゃぶしゃぶで盛り上がっていたはずだが一体…

!?!?!?!?!?

オレは自身の記憶が無いことよりも、目の前に広がる光景に驚愕した。

【今西刑事編・第壱話】

白。白。白。壁から床から何から何まで真っ白な部屋。
そして見知らぬ顔が3つ。怒号を放つ。
他には何もない。何も…
いや。何かがある。だだっ広い空間に、ぽつりと佇む白いテーブル…
そして、その上に見慣れた遊具が一式。あれは…雀稗??
そう。色調こそ雀稗としては見慣れない【白一色】だが、あれは間違いなく雀稗だ。
なんだ。ノーパンしゃぶしゃぶで、はしゃぎ過ぎて、いつの間にか雀荘に来ちまったのか。
『大六野』も一緒か??



辺りを見渡すも、大六野の姿は見当たらない。
あの野郎…先輩である、オレを置いてけぼりにするとは、いい度胸だ。
昨日は、『ノーパンの姉ちゃんのスカートを座布団で、あおいでめくろうゲーム』に二人して熱狂していたと言うのに。



「絶対ここにまた来ような!!」

と、熱く固い握手を交わしたと言うのに…
あの誓いは何だったんだ。



今度会ったら、腕ひしぎ四の字固めを華麗にキメてやる。


ガヤガヤガヤガヤガヤガヤヤ


それにしても、うるせぇな。あの3人は先刻から一体、何を揉めてやがる??
誰かイカサマでもしやがったか??
て言うか、3人しか面子がいないってことは…もしかして、あと1人の面子はオレか??
くそ。めんどくせぇ。厄介事に巻き込まれるのも御免だし、とっとと場代払って帰るか…
ってか、店長どこだ??よく見りゃレジもねぇし、出口も…あれ??出口??出口どこだ!?

扉が全く見当たらない…出口どころかトイレの気配すらない。

一体どうなってんだ!?なんなんだ、ここ!?どうやって入って来た!?こりゃ夢か!?

わけがわからない。


ズキッ


痛っ…また頭痛がする。思考が定まらない。
必死になって、昨日の記憶を呼び起こそうとしているところで、目覚まし時計にも似た爆音がいきなり鳴り響く。


ジリリリジリ!!ジリリリジリジリ!!ジリジリジリ!!ジリジリリ!!


!?!?!?!?!?

辺りが一瞬、静寂に包まれる。
時間にして、2〜3秒だろうか。
次の瞬間、校内放送にも似た…いや、校内放送と呼ぶには、少々ちゃちな放送が流れ出す。
この放送が、オレ達を地獄に招き入れる悪魔の放送だとは…
この時、オレは思いもしなかった。


???「おはよう。諸君。そして初めまして。
私の名前はペイヴィッド・ペイヴス。
君達を至高の楽園に導く者だ。
ようやく、最後の一人が目を覚ましたところで、早速、ゲームを始めよう。」

は??おいおい。何言ってやがる。勝手に話を進めるんじゃねぇ。
こんな、ひでぇ頭痛がする、二日酔いの状態で、ゲームなんざ出来るわけねぇだろ。
オレは帰って寝たいんだよ。
寝て、昨日のオッパイしゃぶしゃぶの余韻に浸りたいんだよ。
つーか、楽園ってなんだ!?
頭イカレてんのか!?

一言、文句を言ってやろう。
と、思ったが、オレより先に1人の女が喋り出す。

女「ちょっと!!どういうつもりよ!!あんたが私達をここに連れて来たわけ!?ここどこよ!?
ふざけんじゃないわよ!!こんなことしてタダで済むと思ってんの!?
拉致監禁は立派な犯罪よ!!」

ヒステリックな女だな。こういう女とは係わり合いになりたくないもんだ。
それにしても、この女は何を言ってるんだ??
拉致監禁??ここは雀荘だろ??
また頭が混乱してきた。

女の問い掛けには一切反応をせず、放送の主は続け様に、こう言い放つ。
それは、耳を疑わずにはいられない内容だった。

???「生き残れるのは二人だけだ…殺し合え。」

オレの人生で、最も長い一夜が幕を開けた。


刑事1.JPG


【Profile 1】
氏名:今西刑事
職業:武闘家
好きなもの:ノーパンしゃぶしゃぶ
好きな台詞:一体いつになったら、すっぽんぽんのお姉ちゃんとゴルフが出来るの!?
特技:上段蹴り
麻雀の称号:フナ虫
備考:エロいけど、とってもいい人です。



つづく

| 1/1PAGES |

Calendar

S M T W T F S
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
2627282930  
<< November 2017 >>

Peeeez Twitter

Peeeez Movie Clips

第三回公演 スクランブル江戸4YOU
ダイジェスト オープニングアクト ドクターマリオ リアル桃太郎電鉄 おっくせんまん

youtube内劇団のチャンネルは

こちら!!!

selected entries

categories

archives

recent comment

recommend

links

Peeeez Profile

PR

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM