〜前回までの進捗〜
全米Jr.チャンプテニスプレイヤー【シャラポワ】は、憧れのオラオラテニスプレイヤー【跡部様】を追ってテニスプレイヤーからポケモントレーナーへと転職した。
【2日目】
私の名前はシャラポワ。
故あって、今日からポケモントレーナーを目指すことになった【元・全米Jr.チャンプテニスプレイヤー】だ。
今日はアラサー博士からポケモンを貰う手筈になっているんだが…
チェレン『さて、異なるポケモンが3匹…誰から選ぶ??』
アラサー博士から贈られて来たポケモンは3匹。
正直、全部欲しい…
こいつらを血祭りに上げて独り占めにしてやろうかとも思ったが。
ベル『じゃあシャラポワからポケモン選びなよ!!
シャラポワの家に届けられたんだし!!』
ベルのこの殊勝な一言で、私の中の悪魔は影を潜めた。
ベルめ…うい奴だ。
チェレン『いや。ここは公平を期すため、ジャンケンで決めよう。』
瞬間、チェレンの眼鏡が吹き飛び、粉々に砕け散る。
そして気が付けば、眼鏡の代わりに、私の右拳がチェレンの顔面に埋もれていた。
糸の切れたマリオネットのようにチェレンが崩れ落ちる。
…また、やってしまった。
まあ、でも今のはこいつが悪い。
空気を読まな過ぎ。
シャラポワ『ふざけないで。あんた人様の家で何様??
神様にでもなったつもり??
ベルが素晴らしい提案をしてくれたんだから、それに従いなさいよ。』
チェレン『く…シャラポワ。前から言おうと思ってたけど、気に入らないことがあると、すぐ暴力に訴えるのはやめてくれないか。
いい加減、僕の眼鏡が底を尽きてしまう。』
そう言って、チェレンは胸ポケットから新しい眼鏡を取り出す。
ベル『えっと…どうしようか??』
チェレン『ジャンケンだよ。今や世の中は民主主義。
物事はいつだって公平でなければ』
奴が言い終わるよりも早く、私の黄金の右が奴の顔面にめりこむ。
眼鏡はもちろん粉々だ。
チェレンは支えを失ったマネキンのように崩れ落ちる。
シャラポワ『ごめんなさい。よく聞こえなかったわ。
民主主義が何??
悪いけど、我が家は絶対君主制よ。
そして君主は私。
これ以上、何か言うことはある??』
チェレン『いや…いい。』
そう言ってチェレンは再び胸ポケットから新しい眼鏡を取り出す。
私が、こいつの顔面を殴り過ぎたせいか、最近では、いつ何時、何処で眼鏡を割られてもいいように予備の眼鏡を胸ポケットにスタンバイさせているらしい。
もう何百本と、こいつの眼鏡を叩き割って来たわけだが、こいつは一体、予備の眼鏡をいくつ持ってるのか。
メガネの三城もびっくりだ。
シャラポワ『そ。わかればいいのよ。
じゃ、遠慮なく私から。』
全く。そうやって従順にしていれば、眼鏡も割れなくて済むものを何故、刃向かうのか。
そんなに殴られたいの??
馬鹿なの??ドMなの??悪いけど私はドSな男が好きなの。
嗚呼、でもドSな男を屈服させるのも悪くないわね。
跡部様は確実にドS…
だって【氷帝】って呼ばれてるんだもの。
英語に直すと【Snow Souther】よ。
イニシャルSS。
Sの申し子じゃない。
え??【氷帝】は【Ice Souther】??
…いいのよ。似たようなもんじゃない。
でも【氷帝】なんて呼ばれてるぐらいだから、きっと氷ポケモンの使い手ね…
どうしようかな。
ドSな跡部様に攻められたいなら、氷タイプに弱い草ポケモン。
逆に、ドSな跡部様を屈服させたいなら、氷タイプに強い炎ポケモンを選ばないと…
嗚呼!!私の今の気持ちはどっち…!!
シャラポワ『…よし!!君に決めた!!』
私は炎ポケモンを選択した。
ふふ。屈服させてやるわ。
私の中の黒い感情がくすぐられた。
ベル『じゃあ私はツタージャにするね!!
チェレンはミジュマルだね!!』
チェレン『勝手に決めるな。全く…
まあ、僕は最初からミジュマルが良かったから問題無いけどね。』
各人がそれぞれのポケモンを選び、手に取る。
いよいよね…ふふ。可愛いポケモンだといいな。
炎タイプのポケモンの名前は【ポカブ】
名前からして、ポカポカした感じで可愛い雰囲気が出ている。
私は期待に胸を膨らませてモンスターボールを解き放つ。
シャラポワ『行けっ。ポカブ!!』
モンスターボールが美しい曲線を描いて地面に落ちてゆく。
ボールと地面が触れた瞬間、勢いよくモンスターが飛び出てきた!!
それは…
シャラポワ『な…!!』
可愛い、と呼ぶには程遠い存在だった。
シャラポワ『ぶ…ブタ…??
か、可愛くないわ…』
悲劇の始まりである。
to be continued...
次回、シャラポワの我が儘が最高潮に達する。
ポケモン黒の章【3日目〜いきなり☆トレード〜】
シャラポワ『最初からクライマックスよ!!』
お楽しみに!!