〜前回までのあらすじ〜
ヒーローを目指すサソリ・レッドとフンコロガシ・ブラウンはゴキブリ・ブラックを仲間にすべく超高速起動ウンコ【ガンツ】を駆り、【コンクリート・ジャングル】を目指すのであった。
レッド『着いたぜブラウン!!』
ブラウン『一面灰色の世界…これのどこがジャングルなんだい??レッド君。』
レッド『草木の一本も生えてやしねぇ…周りは岩肌ばかり。ジャングルって言うより砂漠だな。』
ブラウン『灰色の岩肌…なんだか気持ち悪いな。』
レッド『あぁ…
とりあえず水場だけはさっさと確保しねぇとまずいな…』
ブラウン『レッド君!!レッド君!!こっちに来てくれ!!
水を見つけた!!』
レッド『言ったそばから…ブラウン。やっぱりお前は天才だよ。』
急いでブラウンの元に駆け寄るレッド。
しかし、そこで見つけた水はレッドが想像していた水とは掛け離れたモノだった。
レッド『な…!?水が…ウンコ色だと!?ブラウン!!これは!?』
ブラウン『とりあえず飲んでみたが、ウンコでは無いみたいだ。
残念だよ…てっきりウンコの亜種【ゲーリー】かと思ったんだが。
いや待てよ。もしかしたら…これが噂に聞く幻のウンコ。ゲーリーを超えたゲーリー!!
希少種【ゲルー】なのか!?
いや、違う…ゲルーは固体と液体、両方の性質を持つ夢の素材。
こいつは…しゃばしゃばだ。
それに、この僕がウンコの味を見落とすわけがない。
こんな血みたいな味は絶対にウンコじゃな…う!?』
レッド『どうした??ブラウン。
はしゃぎすぎて、喉がつっかえたか??(笑)』
ブラウン『う〜ん!!う〜ん!!』
レッド『おいおい。そんなに気張るなよ(笑)』
ブラウン『う〜ん!!う〜ん!!』
ブラウンの様子がおかしい。
『気張る』と言う言葉に全く反応しないブラウンを見て、レッドは異変に気づいた。
レッド『ブラウン…??ブラウン!?』
体が弓の様に反り返り、口から泡を吹き始めたブラウン。
ただごとではない…レッドは事態の重さをようやく理解した。
レッド『ブラウン!!一体…はっ!?』
レッドは何かに気づいたように、ウンコ色の水を指につけて一口舐めてみる。
レッド『構成物質…鉄分75%。亜鉛15%。油分5%。テトロドトキシン4%。せめてもの情け…1%。
なんてこったい…猛毒だ。。。
ちくしょう。なんだって、こんな猛毒がこんな所に…!!
ここは本当に地球なのかよ!!』
(※ちなみにレッドは毒に対して耐性を持っています。サソリだからね。)
ブラウン『う〜ん!!う〜ん!!こっ…!!こふぁ…!!』
ブラウンの体がほぼ90度に折れ曲がり、ブラウンの肛門。略して【ウンコ門】が超高速で開閉し始める。
これはブラウンの死期が近いことを意味していた…
レッド『ブラウン…ブラウン!!
オレが…オレがコンクリート・ジャングルなんかに誘わなければ…オレが…
ブラウ〜ン!!!!!!』
〜レッドの慟哭がこだまする一方、コンクリート・ジャングル第4区画【ジャイアント・コーン】では〜
ブラック『おとなしく、ジャイアント・コーンを手放してくれないか??』
カマキリ『ふざけるな…ジャイアント・コーンはオレ達の唯一の住家。
そこを手放して、オレ達にどうやって生きていけと…』
ブラック『緑溢れる本当のジャングルに帰ればいいじゃないか。
ここは【コンクリート・ジャングル】
お前達のような温室育ちの虫が生きていくには厳しい環境だろう??』
カマキリ『だが、それでもオレ達は生きてきた…
アスファルトに咲く花のように!!』
ブラック『ふぅ…聞き分けの無い子には…
お仕置きだな。
モスキート!!』
ブラックの呼びかけに呼応して闇の中から一匹の虫が現れ、カマキリを羽交い締めにする。
カマキリ『な…!?貴様どこから…!?』
次の瞬間、モスキートがカマキリにぶすりと歯を突き立てる。
その鋭い牙からは分泌液のようなものが注入されていく。
カマキリ『なに…を…』
ブラック『なぁに。ただの麻痺毒だ。心配することはない。
ちょっと手術をするだけだよ。
お前からカマを取り除く…と言うな。
少し眠れば、すぐに終わる。
目が覚めた時には立派なニュー・カマーだ!!』
カマキリ『な…!?なん…だと!?』
カマキリの顔色が見る見る、健康的な緑色から真っ青に変わっていく。
カマキリ『や…やめてくれ…カマだけは…!!
オレのチャームポイントなんだ!!
カマが無くなったらオレはただのキリになっちまう!!
そうなったらもう、虫なのか工具なのかが、わからなくなる…!!
存在意義が無くなるんだ!!』
ブラック『お前のカマは一生の宝物にするよ。』
カマキリ『やめてくれ〜!!』
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
モスキート『これでジャイアント・コーンの制圧も終わりましたね。』
ブラック『あぁ…コンクリート・ジャングルはほぼ我が手中に。
残る反乱分子は…』
そこに現れる一匹の蝿(フライ)とゴキブリの幼虫(ブラックJr.)
フライ『第7区画【トンガリ・コーン】制圧完了しました。』
ブラック『フライ・ハイ。』
ジュニア『パパ〜!!第8区画【カプリ・コーン】も制圧したよ!!』
ブラック『ジュニア。よくやったぞお前達。
ならば残るは…』
モスキート『コンクリート・ジャングル最後の砦…
第11区画【マスクド・ライダーズ】』
ブラック『仮面の戦士達が守る最強の区画…か。
ふんっ。バッタどもが。
食い潰してくれる!!
全員出撃準備を整えろ!!
これより我等【ブラック・フェニックス】は【マスクド・ライダーズ】への進軍を開始する!!』
一同『うおぉぉぉ!!!!!!』
ゴキブリ・ブラックの号令とともに【ブラック・フェニックス】一同が一斉に【マスクド・ライダーズ】を目指して走り出す。
そしてその進路上には、何の因果か運命か。
サソリ・レッドがフンコロガシ・ブラウンを抱きかかえて絶叫している姿があった…
つづく
次回『深紅の痛みを受けよ【スカーレット・ニードル】』
レッド『お前だけは守ってみせる。』
写真はムシキングダムの神『ゴッド・ヘラクレス』